ナイトビジネス業界に税理士は必要?経理を税理士に任せるメリットや選び方などを解説

ナイトビジネス業界において、経理や会計、税務に関する知識が必要な業務は専門家に任せたいと思っている経営者は少なくありません。
特に水商売は税務調査が入る確率が高いため、税務申告に関しては専門家による適切なアドバイス・手助けがほしいと考えているかもしれません。ここでは、税理士に経理・税務を任せようかと検討されているナイトワークの個人事業主を含む法人経営者の方たちのために、依頼するメリットから税理士の選び方などを解説します。ぜひ参考にしてみてください。

1.ナイト業界が税理士に任せる必要性

ナイトビジネスの中で水商売と言われるキャバクラやホストクラブ、ダイニングバー、居酒屋などさまざまな形態があります。個人事業主または法人であっても売上管理や経費処理、税務関連、スタッフへ支払う給料計算などの経理はオーナー自身が行う場合もあれば、経理担当者を雇って運営していることもあります。
一般企業と同様に経理業務は欠かせません。その中でも税務に関することは専門知識が必要であるため、できることならナイトワークの飲食店を得意とする税理士と顧問契約を結びたいと検討される方が多いです。

ナイトビジネスは税務調査の対象になりやすい業界です。なかでも国税庁の税務調査に入りやすいキャバクラやホストクラブ、ガールズバー、スナックなどが上位に挙がっています。誤った税務申告で不正・脱税と判断されてしまうとペナルティを受けてしまうケースが多々あります。
このような事態を避けるために必要となるのが、経理・税務に関する業務を専門化である税理士の存在です。

2.税理士に経理を任せるメリット

税務調査が入りやすい水商売において、顧問税理士をつけることは大きなメリットがあります。また、税に関することだけではなく、事業計画、資金繰りなどお金周り全体の動きのことで相談できる相手がいるということは非常に心強いです。
ここでは、税理士に任せるメリットを幾つか紹介します。

①税務調査の立会いを依頼できる
ナイトビジネス業界は税務調査に入りやすいと先述しました。その際の対応は税理士に依頼すればサポートしてもらうことが可能です。
税の知識があまりなくても、税理士が対応してくれるので税務署の指摘や質問等に対処してもらえます。
ただし、ここで注意しておかなければならないのが、費用が発生することがあるので事前に確認しておきましょう。

②節税対策によるアドバイスが受けられる
節税対策とは、税法内において税金の負担を軽減させることです。
税金が事業のどの部分に発生し、どのようなものを経費計上できるのか把握することから節税が可能です。税理士による的確なアドバイスを受けることで、十分な節税対策に期待がもてます。

③複雑な税の仕組みをわかりやすく解説してもらう
複雑な税の仕組みを知ることで節税にも繋がります。税に関しての理解を深めるためにも専門家から分かりやすい説明を受けられることは、大きなメリットです。

④資金繰りや経営状況の把握ができる
事業を展開するにあたり、現状の資金や将来の見通しを把握しなければなりません。よって長い目で経営(財務)の状況を知ること、必要に応じて対策を考えることが必要となります。
税務だけではなく、資金繰りの改善策なども含め、多方面から経営に対するサポートしてくれます。

3.ナイトビジネスにおける税理士の選び方

多数ある税理士法人のなかから、法人経営者あるいは個人事業主である自分と相性の良い税理士を選ぶことが大切です。しかし、どこを基準にしたらいいのか分からない、探し方に不安を感じている方も少なくありません。ここでは適切な税理士の選び方を解説していきたいと思います。

3.1 ナイト業界に特化している

ナイト業界の会計処理は、業界特有の処理をする必要があるため、水商売(飲食業)に特化した税理士を選ぶことが決め手のひとつとなります。
下記3点が税理士を選ぶポイントとしています。

  • ナイト業界での豊富な実績
  • 節税対策などの知識が豊富であるか
  • 無申告、税務調査など税リスクに対応できる知識があるか否か

店舗の会計・税務・経営サポートまで幅広く行うことはもちろん、働くキャストまでの確定申告の対応が可能な税理士もいるので確認してみましょう。
また、水商売は確定申告が怠ってしまうケースがあり、ペナルティが生じていることもあります。そんな状況から脱出できるようなサポートやアドバイスを提供できる税理士が、ナイト業界に強いと言えるでしょう。

3.2 円滑なコミュニケーション

税理士とは長い合いになりうる場合には、コミュニケーションがスムーズであることが前提です。適切なアドバイスで理解を得られことがポイントのひとつで、信頼関係にも結び付きます。

  • 税、会計にでてくる専門用語や仕組みをわかりやすく説明してくれるか
  • 難題な事案についても対応可能かどうか
  • どんなことでも相談しやすい(相性が良いこと)

上記はコミュニケーションを図る上で大切なことです。税理士との相性が良いことも決め手のポイントですが、相手を尊重し、しっかり話を聞きアドバイスをしてくれる税理士を選ぶと良いでしょう。

3.3 ニーズに合った対応が可能

ナイトビジネス業界では、税理士と顧問契約を結ぶことが多いかと思いますが、スポットで経理を依頼したいという店舗もあります。例えば申告書の作成のみ、会計処理の記帳のみなど経理の専門性のある業務のみを任せたい場合に依頼が可能かどうか確認しましょう。
事業を始めた当時は資金に余裕がないため、簡単な経理業務は知り合いに依頼し、専門分野の箇所を任せるといったケースもあります。
現状を把握した上で、店舗ニーズに合った税理士を選ぶことが大切です。

3.4 料金体系が明確

ナイト業界が税理士と契約を結ぶ際に、先ず先に料金体系が明確であるかどうか確認する必要があります。なぜ料金の掲載が明確であることが必要なのかは、以下のことが考えられます。

  • ◆依頼する業務条件の食い違いを防ぐため
  • ◆オプションなどの料金や業務範囲が増減した際の料金を把握するため
  • ◆税理士への報酬とサービス、業務内容のバランスが適切であるかの確認
  • ◆事業の予算に合わせた料金であるかどうか

予想外の料金が発生しないように、税理士との契約する際に料金は確認することが大切です。また、他社の税理士法人と比較するのも良いでしょう。

4.ナイト業界が税理士に依頼するタイミング

バーやクラブ、居酒屋などのナイト業界の経営者が税理士に依頼する際には、タイミングというものがあります。店舗の規模や経営状況によって異なりますが、下記のようなタイミングで依頼すると良いです。

▽店舗の開業時
開業時で契約を結ぶことは、ベストタイミングです。事業計画に必要な書類などの作成フォロー、資金計画や税金に関するアドバイスまでしてくれます。初めに契約をすることで、今後の経理業務の依頼がしやすくなります。特に開業して初めての決算処理や確定申告は不安ですね。税理士との契約を結ぶことを検討するタイミングのひとつとなります。
また、個人事業主から法人化にする際の助言や節税対策などのアドバイスが受けられます。

▽売上が増加したとき
売上が増加するにつれ、経理・会計業務が増えて複雑化していきます。業務の効率化を図るためにも税理士に依頼するには良いタイミングです。
また、個人事業主の場合、年間売上1000万円を超えると、その2年後に消費税の課税義務があるので、その際に税理士を必要とする目安にもなります。

▽確定申告の時期
決算時期や確定申告など税金に関する申告が必要な際に、書類の作成をして税務署に提出しなければなりません。スポット契約になりますが、これらの書類の作成を税理士に依頼することで正確に素早く処理してもらえます。

さいごに

税理士に依頼するメリットや、税理士の選び方などを解説しました。
特に水商売は税務調査が入りやすいと言われています。税リスクを避けるためにも自身に合った税理士を選ぶことはが重要です。良き相談・アドバイスなどを提供してくれる存在は経営していく上で大切なことでしょう。

この記事を書いた人

BrancPort税理士法人