- 「経理担当者が素人で処理に自信がない」
- 「月末にまとめてやろうと思い、領収書を溜め込みすぎて何の支出かわからなくなる。」
- 「領収書が雑だと税務調査が入ったときに指摘される?」
このようなお悩みや疑問を抱えているナイトビジネス経営者の声を多く聞きます。
この記事では、領収書処理の基本ルール・ナイトビジネス経営でよくある領収書ミス・領収書ミスを防ぐ方法・処理を適切に行わないと生じるリスクを解説していきます。是非、参考にしてみて下さい。
1.領収書処理の基本ルールを解説

領収書は、正しく処理するために必要な情報が記載されている必要があります。
経費として計上する場合、領収書は必須です。ただし、レシートでも必要な情報が記載されていれば、経費計上可能な場合もあります。
【必要な情報】
- 宛 名→誰に対して払ったか:税務署から指摘されることがあるので、「上様」「個人名」ではなく、店舗名があると安心です。
- 日 付→支払いがあった日:支払日が記載されていないと、支出の時期がわからず、経理処理に困ります。
- 金 額→支払った額:必ず支払い金額がはっきり記載されていること。消費税も含まれていることを確認しましょう。
- 但し書き→支払い内容や理由:「お食事代」「接待費用」など、支払いの目的がわかるように記載されていると、後で経費計上が楽になります。
2.ナイトビジネス経営でよくある領収書ミスとは?

■ 宛名なし「上様」ばかりの領収書
宛名が空欄や「上様」だけだと、経費として認められない可能性があります。
■ 但し書きがあいまい・空欄
「お品代・一式」などでは、何の支出か不明です。具体的に記載する必要があります。
■ 領収書のもらい忘れ・紛失
忙しくて領収書をもらい忘れた、ポケットに入れたまま洗濯してしまったなど、よくある話ですが、
領収書が無いと経費計上できず、税務で否認される場合があります。
■ レシートと領収書の使い分けができていない
レシートしかないと、支払い内容が曖昧な場合に経費として認められない可能性があります。
レシートでも内容詳細が記載されていれば、経費として認められることもありますが、領収書の方が安心です。
■ プライベート支出を経費に混ぜる
個人的な食事や遊び、私用の服・小物などを経費計上し、その後、税務調査で発覚してしまうと罰金の対象になる可能性があるので、注意が必要です。
■ 1ヶ月分まとめて処理するので記憶が曖昧になる
1ヶ月分の領収書を一気に見返しても、「なんの支出だったか?」となってしまいます。
記憶が曖昧で、正確な経理処理ができず、経費漏れや記載ミスの原因になります。
3.領収書処理のミスを防ぐための実践方法を解説

①領収書はもらったその場で確認する!
「宛名」・「日付」・「金額」・「但し書き」は必ずその場で確認する。
万が一の紛失やインクの消え対策として、スマホで撮影しておくと安心です。
撮った領収書は、月ごとにフォルダーに分けて保存すると便利です。
②領収書・レシートの保管場所を決める
領収書を保管するボックスやファイルを設置し、必ずその日のうちに入れるように徹底しましょう。
領収書を渡した・渡さない、などトラブルや紛失を防ぐことができます。
③但し書きのテンプレートを決めておく
毎回違う書き方をすると、経理処理が煩雑になり計上ミスにもつながるので注意が必要です。
以下、但し書きのテンプレート例です。
■飲食・同伴・アフター系
- 同判事の飲食代の但し書き→同伴営業時の飲食代金
- アフターの飲み代の但し書き→アフター同行時の飲食費
- スタッフ慰労会の但し書き→従業員慰労のための飲食費
■消耗品・備品購入
- レジ用品文具購入の但し書き→店舗使用文房具代
- グラス・備品補充の但し書き→店舗備品購入費
- 清掃グッズの但し書き→店内清掃用消耗品代
- キャスト共有化粧品の但し書き→キャスト共用品(化粧品)購入費
■交通・移動・接待関係
- タクシー移動の但し書き→営業活動に伴う交通費
- キャスト送迎代の但し書き→キャスト送迎費用
- 接待の移動費の但し書き→取引先接待に伴う交通費
■衣裳・イベント・装飾
- イベント用ドレス購入の但し書き→店舗イベント用衣装費
- 店内装飾の但し書き→店内装飾品購入代
- ハロウィン・バレンタイン準備の但し書き→季節イベント用備品代
■広告・宣伝関連
- チラシ印刷の但し書き→宣伝用チラシ印刷費
- SNS用写真撮影の但し書き→宣伝用写真撮影代
- 名刺作成の但し書き→キャスト用名刺制作費
- ウェブ広告出稿の但し書き→ウェブ広告出稿費
4.領収書処理を適切に行わないとどうなる?
領収書処理を適切に行わないと、税務調査で経費として認められず、追徴課税や罰金が発生する恐れがあります。
特にキャバクラなどナイトビジネスはプライベート支出と混同されやすく、宛名や但し書きが不備だと疑われる原因になります。
また、領収書の紛失や記載ミスがあると、帳簿と現金のズレが生じ、資金管理が乱れることも。
従業員とのトラブルや、金融機関からの信用低下にもつながるため、正確な領収書管理は経営を守る重要なポイントです。
さいごに
いかがでしたか?
領収書処理の基本ルール・ナイトビジネス経営でよくある領収書ミス・領収書ミスを防ぐ方法・処理を適切に行わないと生じるリスクをご理解頂けたと思います。
領収書の管理は、思っている以上に手間と知識が必要です。
日付や宛名の不備、但し書きの曖昧さ一つで、税務調査時に経費として認められないリスクもあります。
特にナイトビジネスでは、税務署のチェックも厳しめに判断される傾向があります。
そうしたトラブルを未然に防ぐためにも、領収書の管理や経理処理はプロである税理士に任せるのが安心です。
経営者は現場に集中し、面倒な処理は専門家に任せることで、時間もリスクも減らすことができます。