ナイトビジネスに適した立地条件とは?物件選びのための覚えておきたいポイント

近年、飲食店の開業を検討している人が多く見られます。そのなかでもガールズバーやキャバクラ、スナックなどナイトワークでの経営計画を志している人も少なくありません。
飲食サービスの開業で考えなければならないのが立地です。特にナイトワークにおける営業エリアの選定は非常に重要なポイントです。どの場所でも空き物件があればすぐに開業できるという訳ではなく、ナイトワークに適した出店エリアがあります。
今回は、ナイトビジネスに適した営業エリア、調査方法などを解説していきたいと思います。
ぜひ参考にしてみてください。

1.立地条件がいいとは?

立地条件とは、お店や事業所などの物件がどこでどのように建っているのかを表す言葉です。その土地や場所の特性を指しているので、新しく店舗を開業する際には選定ポイントとして非常に重要であり、将来の経営を左右するといってもいいほど大きな要素のひとつになります。特にキャバクラやホストクラブ、ガールズバー、居酒屋などのナイトワークは、ナイト業界に適した立地条件があり、人通りが多い場所に集中しています。そのため集客・売上向上のために、自店エリアにおける競合分析を行っているお店も少なくありません。
ナイトビジネスに特化した立地は、「人通りの多さ」「駅から近い」「コンセプトがエリアの雰囲気に合っている」などが代表的な条件になります。ただし、全ての業種が同じエリアで良い立地条件とは限りません。店舗が求めているエリアに対して、ニーズがあると判断したときに立地条件がいいと感じるのではないでしょうか。
誤った判断をしないためにも、自分の足で開業目的地に出向き、さまざまな調査が必要となります。

2.ナイトビジネスに適した立地(調査)

店舗を開業する際に、立地選びが重要なポイントというこがわかりました。
また、各業種によってお店のコンセプトはもちろん、お客様が求めている店舗も異なります。ここでは、ナイトビジネスに適した立地およびその調査について解説していきます。

2.1 立地周辺の人口(繁華街・歓楽街)

ナイトビジネスを開業する上で、立地選びで調査しなければならいことが多々あります。
店舗周辺の人通りが多いということが立地条件のひとつとなります。
特にナイトビジネスの店舗が密集している立地は、ピンポイントになりますが、繁華街・歓楽街などが、人通りが多くお客様の流れを生み出します。一方で郊外や住宅街などの店舗開業を検討されている方もいらっしゃいますが、これらは常連客のネットワークを対象にした営業が多いです。

▶人口が多いエリアのメリット

  • 人通りが多いことで集客力が高くなる
  • ターゲットの層の幅が広がる
  • 通行人の目に留まることで、お店のアピールになるため宣伝広告費が抑えられる
  • 大通りから1本入った路地裏などは、静かで魅力的な印象を受ける(主にカフェやレストラン、スナック、寿司店などが多い)

▶人口が多いエリアのデメリット

  • 特に人気エリアほど競合店が多く、売上向上の施策として差別化を図る必要がある
  • 家賃、初期費用などが高い
  • 治安が悪いエリアもあるので、トラブルに巻き込まれる可能性がある

▶繁華街・歓楽街の場合

  • ナイトビジネスとして定着している立地なので集客が見込まれる
  • 人通りが多いため、新規顧客としての来店が期待される
  • 周辺に数多くの同業店舗を構えているため、相乗作用によって効果的

繁華街で営業活躍をしている店舗は、キャバクラやホストクラブ、バルなどが多く、人口が多いエリアが挙げられます。集客力が高いのは一番のメリットですが、競争が激しくなります。また、大通りを1本入った静かな場所は少しかけ離れていますが、お客様が路地裏を歩いていて発見するといった可能性もあるので挙げました。

2.2 立地周辺の客層

立地条件のなかでターゲット層がコンセプトに合っているかをリサーチする必要があります。お店のコンセプトによってターゲット層は異なりますが、ここでは幾つかに分けて紹介します。


■富裕層や会社役員、経営者などに向けたエリア
富裕層をターゲットとする場合は、会員制クラブやラウンジ(紹介制含む)などが多くみられ、ある程度エリアが限られていることがあります。

  • 高級ホテルやブランド店が並ぶ都市部が多い
  • 治安が良くて落ち着いた静かなエリア
  • 繁華街、歓楽街から離れた場所のビジネス街が多い

■ビジネスマンをターゲット
ビジネスマンに向けたエリアはサラリーマンが飲食する、あるいは接待で使用することが多いです。

  • 企業が多いオフィス街
  • 気軽に立ち寄りやすい店舗が多いエリア

■若者向け
若者が集まるアリアは限られていることが多く、イベントなどを頻繁に行うことが集客に繋がります。

  • 低価格を重視しているので、入店しやすいカジュアルな雰囲気のエリア
  • 大学や専門学校が比較的近いエリア
  • 終電まで安心して飲み続けられる駅から近いエリア

■地元(常連客)をターゲット
地域密着型として展開しているお店が多く、アットホームな雰囲気のエリアを好みます。

  • 競合店が少ない住宅街(一部の業種除く)
  • 駅から離れた静かな場所

■インバウンド向け
観光客を対象とした場合は、人気観光地が立地条件となります。

  • ホテルや旅館が近い人気観光スポット
  • エンターテインメント性のある繁華街や歓楽街
  • 外国人が多い人通りのあるエリア

2.3 立地の動線・視認性

ナイトワークの適した立地条件のなかで調査をしてほしいことが店舗への動線と視認性です。

・動線
動線とは人の流れのことです。お客様がどのようにお店まで辿り着くかを調査します。
例えば、駅を下車して左右に分かれる道があった際に、どちらが人の流れが活発化しているかによって、集客に差が出ることがあります。人は直感で興味が持てそうなお店が並ぶ通りへと惹きつけられていることがあります。

・視認性
視認性の調査は、お店の存在を発見してもらえるかどうかという事です。
人通りが多い立地のほうが有利ですが、「看板が見えづらい場所」「視界に入りづらい」「可読性が低い」などは好条件の立地でも活かしきれません。
見え方を調査するには、その場所で歩行者として出向き、看板の大きさやデザインを確認すると良いでしょう。

3.ナイトビジネス開業前のチェックポイント

ナイトビジネスに適した立地条件を先述しましたが、関連してここでは出店前にやるべきチェックポイントを解説します。

◎アクセスがいいか
駅から近いとお客様は安心して立ち寄れる。店舗での滞在時間を延ばせる、タクシーが拾いやすい。

◎店舗周辺の環境
ターゲット層が多いエリアにあるか。競合店の存在を確認し、差別化を検討する。

◎エリアごとの集客力
需要と供給のバランスが一致したエリアを調査する。

◎家賃やコストのバランス
月々の家賃が売上のどれぐらい占めているのか確認する(目安として1か月の売上げの10%、またはそれ以下が一般的)

店舗の開業前の立地調査は重要度が高く、成功するか否かの差が現れるといってもいいぐらいです。立地周辺の属性を調査し、ナイトビジネスに適した場所であるか、そしてターゲット層・コンセプトとマッチしているか確認した上で検討しましょう。

さいごに

いかがでしたか。ナイトビジネスの適した立地条件を解説しました。開業する前に、どの程度コンセプトに合っているか調査をすることが大切です。また、ターゲット層から競合店状況、家賃と売上のバランスなどを確認した上で、適していると判断した時に一歩前進となりのます。自身のお店にとって最適な立地選びが成功するポイントのひとつになるでしょう。

この記事を書いた人

BrancPort税理士法人