- 「自分の店が風営法に該当するか?確認したい。」
- 「外国人スタッフの深夜(22時以降)の勤務は可能?」
- 「外国人留学生をキャバクラで雇用してしまった、罰則はある?」
このようなお悩み・疑問を抱えたナイトビジネス経営者の声を多く聞きます。
日本では、インバウンドにより、訪日外国人の増加を受けて、英語対応できる外国人スタッフを採用したいと検討している経営者の方も多いと思います。
この記事では、ナイトビジネスで外国人留学生を雇う際の職種制限・違法にならない働き方・就労ルールを守らなかったらどうなるか?・外国人留学生を雇う際のポイントを詳しく解説していきます。
是非、参考にしてください。
1.ナイトビジネスで外国人留学生を雇うには職種の制限がある?
外国人留学生は「資格外活動許可」を取得すればアルバイトが可能ですが、風俗営業や一部の職種は禁止されています。
風営法の対象となる業態では、業務内容に関わらず外国人留学生は働くことが禁止されているので、注意が必要です。
風営法の対象になる業態は以下の通りです。
風営法は、接待飲食店(1~3号営業)と遊技場(4~5号営業)に分類されます。
- 1号営業 キャバクラ・ホストクラブなど→ 客のそばで接待を行う飲食店(ホステス・ホストがつく店)
- 2号営業 低照度飲食店→ 照明が暗い(10ルクス以下)バーやスナック
- 3号営業 区画席飲食店→ 個室があるクラブやスナック
- 4号営業 マージャン店・パチンコ店など)→ マージャン店、パチンコ、スロット店
- 5号営業 ゲームセンター→ 深夜営業のゲームセンター(23時以降営業する場合)
2.ナイトビジネスで外国人留学生の適法な働き方とは?

先に述べたように、外国人留学生は「資格外活動許可」を取得すればアルバイトが可能ですが、風俗営業や一部の職種は禁止されています。
2.1 ナイトビジネスで外国人留学生を雇う際のルール
- 週28時間以内(長期休暇中は1日8時間以内)
- 複数のアルバイトを掛け持ちする場合も、合計で28時間以内に収める必要がある
- 風俗法に関わる業務は禁止
- 深夜(22時~翌5時)の勤務は18歳未満は禁止
- 「資格外活動許可※1」がない場合、就労は一切NG
※外国人留学生が資格外活動許可を取得している場合は、在留カード裏面の「資格外活動許可欄」に「許可:原則28時間以内・風俗営業等の従事を除く」と印字されている
2.2 ナイトビジネスで外国人留学生を雇う際に許可されている業務
- キッチンスタッフ(調理・皿洗い・仕込み)
- ホールスタッフ(注文取り・料理の提供・片付け)
- レジ対応・清掃スタッフ(会計業務・店内の掃除・備品補充)
- バックヤード業務(グラスの補充・ドリンク作成の補助など)
※注意点
- 風営法の対象となる業態では、業務内容に関わらず働くことが禁止
- 接待行為が伴うと違法になるため、ホールスタッフの業務範囲に注意が必要
- お客様の隣に座る、会話を盛り上げる、カラオケを一緒に歌うなどは「接待」とみなされる可能性があるため禁止
- ガールズバーでも、カウンター越しに長時間会話をすると接待行為とみなされるケースがあるため注意
2.3 禁止されている業務を詳しく解説
外国人留学生は、風俗営業に該当する業種では働くことが禁止されています。
禁止される職種(風営法に該当)は以下の通りです。
- キャバクラ・ホストクラブ・ガールズバー・スナック 理由:接待を伴うため
- パチンコ店・麻雀店・ゲームセンター 理由:風俗営業として規制
- 風俗店 理由:デリヘル・ソープランドなど
- 同伴・アフター・客引き行為など
3.風営法や就労ルールを守らないとどうなる?

もし制限を超えて働いたり、禁止された職種に従事した場合、以下のような処罰を受ける可能性があるので注意が必要です。
■留学生本人のリスク
- 在留資格の取消し → 強制退去&再入国禁止
- 罰金または懲役(不法就労罪)
- 学校からの処分(退学・警告)
■雇用主(アルバイト先)のリスク
- 不法就労助長罪(3年以下の懲役 or 300万円以下の罰金)
- 営業許可の取り消し
- 社会的信用の低下
4.外国人留学生を雇う際のポイント

Point.1:在留資格・就労制限を確認する
- 在留資格(留学)と在留期間をチェック
- 資格外活動許可の有無、留学生は原則として「留学」の在留資格で就労できないが、資格外活動許可があれば可能
- 労働時間の制限、週28時間以内(学校の長期休暇中は週40時間まで)
Point.2:採用時に必ず行う手続き
- 雇用契約の締結する、雇用条件(給与、勤務時間など)を明記し、サインしてもらう
- 労働条件通知書を交付する、日本語が不安な場合は、英語や母国語の補助資料を用意すると良い
- 社会保険の加入手続き、一定の労働時間を超える場合、社会保険加入が必要
Point.3:労働環境を整備する
- 日本の労働法の説明:労働基準法やパワハラ対策を理解させる
- 言語のサポート:業務指示を簡単な日本語や英語で伝える工夫
- 文化の違いへの配慮:宗教・食事・習慣などに理解を示す
さいごに
いかがでしたか?ナイトビジネスで外国人留学生を雇う際の職種制限・違法にならない働き方・就労ルールを守らなかったらどうなるか?・外国人留学生を雇う際のポイントがご理解頂けたかと思います。
ナイトビジネスで外国人留学生を適法に雇用するには、「資格外活動許可」の確認、労働時間の管理、風営法に違反しない業務内容の徹底が必要です。
特に、接待行為に該当する業務は厳しく禁止されているため、キッチンや清掃、ホールスタッフとしてのシンプルな業務に限定するようにしましょう。
適法な範囲で雇用し、リスクを避けることが重要です。